4/8?9 ISTCプレワールド レポート
2006ツーリングカー世界選手権 プレワールド 4/8(土)?9(日)
RC WORLD 2006年7月号「KEEP RUNNING Vol.3」より転記(Text / 大道智洋)
「今回のレースは非常に楽しみなんです」
EPツーリング世界戦を前に広坂は揚々と語った。
これまでプレッシャーと戦い続けた広坂が、純粋に挑戦者として参戦することとなった今回の世界戦。プレ世界選手権を終えた広坂にインタビューを敢行し、大舞台直前にいちレーサーとしての顔を覗かせた世界チャンピオンの心境に迫ってみたい。
?「レースを楽しむ」正美、原点回帰?
「今回のレースは楽しみなんです」EPツーリング・プレ世界選手権を終えた広坂は開口一番こう言った。
「いつも追われるばかりで余裕がないんですけれど、今回は精神的にものすごく余裕があってチーム体制も整ってます」
もちろん、広坂は何の根拠もなくこう言っているのではない。
「周りの応援がすごく力強いんです。僕はまだ一度も勝ったことがないですから。(ツーリング世界戦では)それだけに周りが応援して盛り上げてくれるので、僕も奮い立たせてもらっていますね。期待に応えたいという気持ちもありますし」
世界戦を前に気力十分といった感じではあるが、とはいえ簡単に勝てるほど世界の壁は低いものではない。
「手応えはもちろんありますけれど、勝てる自信があるか?と聞かれれば、そうではないですね。ただ守るものがないので気分は楽です。僕の攻めに他の選手がどこまで耐えられるか?僕がどこまで攻められるか?そんな真っ向勝負ができることがすごく楽しみですね」
これまで膨大な数のレースを戦ってきた広坂にとって、今回の世界戦はどのような位置づけになるのだろうか?
「このレースで勝てるかどうか?がこの先さらにレースに力を入れるか否か?を左右する分岐点になると思います」
実は今回のツーリング世界戦にあたって広坂は1/12の世界戦をキャンセルしている。両方にエントリーすればスケジュールが過密化し、双方のレースを十分な体制で戦うことができないという判断からである。前回の1/12世界戦で優勝している広坂は、あえて無冠であるツーリングを制覇するという狙いから今回のターゲットをツーリング1本に絞ったということになる。
「たとえ1/12で連続優勝できたとしても、僕にとっては大きな意味はない。やはりツーリングで勝たないと全種目で勝ったことにならない。おそらく今、チャンピオンとして認められるカテゴリーはツーリングだと思います。僕が2回に1回勝っている1/12なら勝率は高いし、世界チャンピオン保持記録にこだわるなら、そちらの方が無難です。でも、そういうものじゃないし、3度挑戦して勝てなかった、今一番熱い種目に挑戦して優勝したいという想いがあります」
守りに入らない。攻め続ける。広坂の想いのすべてが注がれるのが今年のツーリング世界選手権といえるだろう。
?広坂が戦う世界の強豪選手たち?
世界戦というからには世界中から実力をもった選手が集まってくることになる。もちろん、メーカーもチーム体制を整え、勝利の準備に余念がないだろう。そんな広坂が迎え撃つ選手たちとは、どのような選手なのだろうか?
◆ マーク・ライナート(TRF)。プレでも勝ってますし、誰もが認める優勝候補。何よりも走りに対して純粋。乱れが少なくて安定している。ムダがないです。彼と競り合って勝てればいいですね。
◆ 原 篤志(ホットボディーズ)。波に乗ったら誰も彼にかなわないでしょう。原くんは走りもセッティングも総合的にハイレベルでノウハウ量ではケタ違い。それだけに迷う要素も多いと思いますが、セットが決まれば怖い存在です。
◆ ベリー・ベイカー(アソシ)。彼はムラがある選手ですが、ハマった時の速さは手がつけられないタイプ。押せ押せのドライブスタイルで、あそこまで押しが強い選手は他にいないでしょう。
◆ ポール・レミュー(X-RAY)。今全米でものすごく速い選手です。彼はアメリカンスタイルのフロントソリッドアクスルの名手で、かなりうまい。X-RAYは今回のレースにすごく力が入っているので要注意です。
と、ここまで見ても、ほんの数人ですら強豪がひしめいていることがわかる。無論、広坂が戦う相手はここに挙げた選手にとどまらない。無名のダークホース的な選手が突如現れるのも世界戦では珍しくないことである。そんな舞台で広坂はどんな走りをみせるのか? レースファンならずとも注目せずにはいられない一戦になることはまちがいないだろう。
「とにかく、早くレースがしたいですね。今回の世界戦は本当に楽しみで仕方がないんですよ(笑)」
何も背負わず、振り返る要素が全くない状態で戦う広坂がイタリアで活躍する姿は想像に難くない。
レース結果
1位 Marc Rheinard / Tamiya
2位 Andy Moore / Hot Bodies
3位 Masami Hirosaka / Yokomo
4位 Teemu Leino / Shumacher
5位 Victor Wilck / X-Ray
6位 Hubert Honigl / Tamiya
7位 Atsushi Hara / Hot Bodies
8位 David Spashett / Tamiya
9位 Ronald Voelker Hot Bodies
10位 Jilles Groskamp / X-Ray
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